校長講話「防災訓練:天災は忘れずにやって来る!」
本日は熊谷中央消防署から消防隊員の皆様に来校していただき、本校の防災訓練にご協力いただきました。救助袋(脱出シューター)、水消火器による消火訓練もさることながら、熊谷消防が配備する30m級はしご車による高所救出の体験は圧巻でした。正式にははしご付き消防自動車と言いますが、この消防車両は、1フロアあたり3mと考えると、30mの高さ、つまり10階建ての建物まで届くことになります。熊女生もヘルメットとハーネスを装備し、頼もしい消防隊員がアテンドする中、校舎屋上からはしご車のゴンドラに乗って地上まで降りるという訓練に参加しました。
現在、熊谷消防には熊女OGの3名の消防職員が配属されているとのことですが、女性消防士も全国各地で活躍しています。市民の生命や財産を守るというお仕事-もはや正義の味方に近いですが-に興味がある人は、熊谷消防までお問い合わせください。
【校長からの講評】
皆さん、本日の防災訓練はいかがだったでしょうか。今朝は熊谷消防の皆さんにも見守られる中での訓練でしたが、緊張感を持って臨むことはできたでしょうか。訓練というと、どうしてもリアルさや緊迫感に欠けがちですが、身体を使って避難行動を確認すること自体に大きな意味があります。
最近、国の中央防災会議のワーキンググループが首都直下地震の被害想定を12年ぶりに見直したと発表しました。首都直下型の想定地震域は複数あり、そのうちの一つ「深谷断層帯」を震源とする地震が発生した場合、この熊谷の地も震度6強以上の地震動に見舞われる予測となっています。この国に暮らす以上、大きな地震やその他の災害が襲ってくるという前提を理解し、日頃から防災意識を持つことがとても大切です。そして、これまで何度もお話ししきたように、「天災は忘れた頃にやって来る」のではなく、「忘れずにやって来る」という時代です。気象庁も最近、「想定外をなくす」という言い方をしていますが、これは、異常気象や自然災害が激甚化している今、昔の経験や前例に頼っていては命を守れない、ということを意味しています。災害は私たちの都合とは関係なく起きます。だからこそ、日頃から“最悪の事態を想定して動けるか”が大切になります。
火災も予告なしに発生しますが、自然災害と異なり、その多くは人の不注意によるものですから、日頃の心がけ次第で失火を防ぐことができます。火災で発生する煙は、水平には毎秒0.3~0.5メートル、垂直方向にはその10倍の速さで広がると言われています。建材や家具に含まれる化学物質が混ざることもありますが、何より怖いのは一酸化炭素です。一酸化炭素は血液中のヘモグロビンに酸素の200倍という強さで結びつきます。一度結合すると、血液はほとんど酸素を運べなくなり、体は急速に酸欠状態に陥ります。火災による死因は火傷と思われがちですが、実に8割以上が一酸化炭素中毒による酸欠だと言われています。それほど危険なのです。
今日の訓練は、実際の火災時にどう行動し、安全に避難するかを体験する場でした。そして皆さんは高校生です。小さな子どものように「とにかく逃げる」だけでなく、災害のメカニズムを理解し、防災・減災の視点から“自分の命をどう守るか”を主体的に考える存在であってほしいと思います。
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