校長日誌

No.67 8月28日(金)「自己肯定感」

 年齢からなのか、仕事柄からなのか、今まで多くの人と出会い、接してきました。優秀な人はたくさんいるものです。優秀とは学歴とか地位だけのことではありません。人間的に素晴らしい人です。この歳になっても自分はまだまだだと常に感じます。今年の6月に亡くなられた美輪明宏さんは、まるで魔力があるかのように人の本質を見抜いてしまいます。私たちの知らない芸能界という世界でいろんな人と会い、いろんな経験をするうちに人間観察力がついたのでしょうか。

 美輪さんほどではありませんが、ようやく私も何となくですが人を理解できるようになってきたと感じます。若い頃はとんがっていましたし、自分こそはと前面に出しゃばったり、なんで自分ばかりが苦労するんだと思ったりとそんな時期もありました。人の話を聞くよりも自分が喋ってしまう、そんな人間でした。しかしながら、歳を重ねるにつれ、自分の身の丈に合わない欲がなくなり、与えられたところで人のために全力を尽くそうという気持ちに変わってきました。そうすると人の見方も変わってきたように感じます。

 人から尊敬される人は独特のオーラを持っています。相手が誰であろうとも常に謙虚で過度な自慢などせず、人の話を真剣に聞き入れる姿勢があり、それでいてどっしりとした存在感がある人です。接していて安心感のある人です。一緒にいて心地よい人です。上司の前と部下に対しての態度が変わらず、周りから信頼され頼られる人です。そういう人になりたいと思っていますが、私はまだ修業が足りません。

 今までたくさんの生徒や先生と接してきましたが、自己肯定感のある人はどんな状況に陥っても最後は苦難を乗り切り、自分の力で幸せを築いていっていると感じます。自己肯定感とは自信とかプライドとかとは少し違います。「自分ならできる」という自分を信じる心だと思います。一方で自己顕示欲の強い人もいます。昔の私もそうだったかもしれません。自己顕示欲が強いということは逆にコンプレックスの表れなのかもしれません。総じて自己顕示欲の強い人からはだんだんと人が遠ざかっていきます。

 美輪明宏さんは「他人と自分を比べて優越感や劣等感を持つのはくだらない他人指向。大切なのは自己志向。自分が満足して自分が納得すればいい。」と語っています。自己肯定力の高い人は他人と自分を比べたりしません。だから、優秀な人には「すごいね」「すばらしいね」と心から言葉を発することができます。そこにはやっかみや妬みなどありません。ましてや劣等感など生じません。

 900人以上もいる熊女生は一人一人が違います。性格や育ってきた環境も異なります。中には自分に自信が持てず、周りが優秀に見えてしまう人もいるでしょう。それでも自分くらいは自分を信じてあげても良いのではないでしょうか。美輪さんの言う自己志向は我儘ということではありません。自分を否定するのではなく、自分を肯定できる人に熊女生にはなってもらいたいと思います。自己を肯定できる人は必ず幸せになれると私は思います。