令和6年度2学期始業式(この国を守る人たち)
のろのろ運転の台風10号(サンサン)のおかけで、新学期のスタートが心配されましたが、何とか無事に始業式を迎えられました。1学期の終業式で約束したように、熊女の皆さんと笑顔で再会できたのは何より嬉しいことです。
2学期の始業式での校長講話(抄)を紹介します。
【校長講話(抄)】
皆さん、おはようございます。
学びのマネジメント力、これは熊女の大きなキーワードの一つです。長い夏休みでしたが、達成すべき目標・ゴールに向けて、自分自身をしっかりマネジメントすることはできたでしょうか。
この夏のマネジメントを自分自身で評価し、改善しなければならないことがあれば、それらを洗い出し、次のマネジメントサイクルに生かしてください。昨日の自分を超えていく、螺旋階段を昇るイメージで、そんな成長を期待しています。期待と言えば、この夏は、20名の熊女生が南半球ニュージーランドに往復約1万2千キロの冒険の旅に出ました。日本を飛び立つことで、世界をあるいは地球を俯瞰した経験は、今後の人生により大きな勇気を与えてくれるものと期待しています。この後、ニュージーランド派遣の生徒さんから、派遣の報告が予定されているとのことですが、どんな報告をしてくれるのか楽しみです。
ところで、昨日9月1日は防災の日でした。これは1923年(大正12年)のこの日に発生した関東大震災が由来となっていることは、皆さんもよく知っていると思います。1995年に発生した阪神淡路大震災以降、日本は地震の活動期に入ったと言われており、その後、新潟県中越地震、東日本大震災、熊本地震、北海道胆振東部地震、そして、今年1月の能登半島地震と、数多くの地震災害を経験しています。そして、この夏、8月8日には日向灘地震が発生し、南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会が「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表するなど、大地震の懸念が高まりました。
多くの日本人が心配することととなり、スーパーからは元々在庫払底気味だったお米が消える騒ぎとなりました。先週末の台風10号もそうですが、この国は自然災害と常に隣り合わせにあります。日ごろから防災意識を高めるとともに、災害や防災に関する知識を習得し、大きな災害にしっかり備えておく必要があります。
さて、来月、2年生の皆さんが修学旅行で訪れる三陸地方は、東日本大震災で大きな被害を受けた地域です。2011年(平成23年)に発生していますので、幼子であった皆さんは、ほとんど何も覚えていないでしょう。ですが、この埼玉県内でも屋根瓦が落ちたり、住宅街で液状化現象が発生したりと大変な被害が出ています。また、福島県内の原子力発電所がメルトダウンをしたことも重なり、被災地に暮らす多くの方が埼玉県に避難してきました。
その東日本大震災で殉職した南三陸町危機管理課の職員、遠藤未希さんのお話は知っているでしょうか。「天使の声」として道徳の教科書にも掲載されたことのある、もの悲しいストーリーです。
殉職からしばらくして、このときの防災無線の内容が音声データとして残されていたことが判明しました。未希さんの呼び掛けは、緊急の状況下でも冷静に、そして的確に住民に伝えられていました。震災直後、すぐに危機管理課からの放送が始まり、「非常に大きな地震を観測しました。津波が予想されますので、高台へ避難してください」と住民に呼びかけます。「海面に変化が見られます」という未希さんの臨機応変な対応や、津波襲来時の緊迫した様子も記録されていました。当時、危機管理課の職員は、屋上に避難場所tが設置された高さ12メートルの防災対策庁舎が津波を防ぐものと信じていましたが、実際の津波は15.5メートルの高さにまで達し、未希さんは帰らぬ人となったのです。この音声データには、未希さんが放送を続ける中、周囲の人々による「上へあがろう、未希ちゃん、あがろう」という言葉で終わっています。おそらく未希さんは信じていたのです、一回でも多く呼び掛ければそれだけ多くの人が助かるということを。
24歳だった未希さんは、学生時代に知り合った彼と、その年の秋、結婚式を予定していたそうです。自らの命を顧みず、使命感を貫いた心気高き御霊よ、どうか安らかに、、、
この国には、消防官、警察官、自衛官をはじめ、人々のために体を張って頑張っている方が大勢います。今回の風水害でもそれぞれの災害現場で多くの人命を救い、多くの人々の財産を守るために懸命に働いています。
そうした人々の努力に思いを馳せながら、皆さんは自分たちができることに精一杯取り組んでください。まずは、今日からの学校生活を精いっぱい頑張ることです。
熊女では、生徒一人一人が色とりどりの花を咲かせています。勉強に頑張る、学校行事に精力的に取り組む、そして、部活動に夢中になる、様々な場面を通じて、それぞれのゴールを追い求め続けています。
ぞれぞれのトゥルーカラーが輝く学校、それが「熊女」なのです。
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