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2023年12月の記事一覧

誰かのためになる生き方を(校長講話・2学期終業式)

 今学期の始業式で「君たちはどう生きるか」という話をしました。そして、自分自身を知ることに取り組んでほしいと伝えました。自分を理解する、自分を知ることができたでしょうか。

 どう生きるかについて、私から伝えられる答えはありませんが、こんな生き方が素敵だと思う人の話をしようと思います。

 今日紹介するのは、埼玉県弁護士会長の尾崎康さん、歌手の尾崎豊さんのお兄さんです。
みなさんは、尾崎豊さんの曲を聴いたことがありますか。私と同じ世代の人は、曲が流れたら、多くの人が口ずさむことができるほどカリスマといわれていた歌手です。今の世代のミュージシャンにも影響を与えていて、例えば、ワンオクロックのMad Worldという曲では
 「引かれたレールを外れ 後戻りは出来なくなった 15才の夜 口ずさむ『15の夜』」
という歌詞が出てきますが、「15の夜」は尾崎豊さんのデビュー曲です。

 私は仕事の関係で3年間ほど、尾崎さんとある事案にかかわったことがあります。弁護士として少年事件などに寄り添ってきたかたですが、実は、学生時代は司法試験を受ける気はなかったようです。はじめは事務官(公務員)として働き、28歳で司法試験を目指すも不合格となり、もともと子供が好きだったことから、塾の講師になりました。そんな時、豊さんが26歳で亡くなります。
 尾崎さんは あるインタビューで「弟の死がきっかけで、また司法試験を受けるようになった。7回か8回、司法試験に挑戦して34歳で合格しました。・・・世の中のおかしな点にまなざしを向ける姿勢は兄弟で似ているところがある、豊は自分のセンサーに引っかかることを大切に歌にして、自分は弁護士として強い人が権力を乱用しないか監視し、人権侵害を闇に埋もれさせないように目を光らせたい」と話していました。

 私が関わった事案についても、弁護士として積み上げてきた経験を駆使して、弁護する人の人権について全力で戦ってくれている姿を見てきました。その姿を見て、知識や技術というものはこうやって人のために使うもので、私たちが学ぶということはそのための基礎を作っているのだと感じました。
 自分の知識や技術を私利私欲でなく、誰かのために尽くす。こんな尾崎さんの生き方を素敵だと思い、皆さんにもそんな生き方をしてほしいと思います。

 今、世の中には、おかしなことが氾濫しています。ウクライナやパレスチナでの終着点が見えない戦争、さらに、政治の不正や人をだます犯罪など残念ながら「おかしい」と思うことがあふれている。
 尾崎さんは自分の仕事についてこんな言葉を言っています。「紛争をいかに合理的に解決していくか。人類が長年にわたって悩んできたことの集大成だ」弁護士として、法律の知識に心を吹き込み、誰かのために働く人の言葉です。

 皆さんが取り組んでいる学びは、将来の仕事につながる。その仕事は、世の中の誰かを支える仕事のはずです。人の幸せとは、誰かのためになっているという実感を持つことで、そんな生き方を目指してほしいと思います

 新しい年を迎えます。健康に気を付けてよい年となることを期待して、私の話を終わります。