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校長日誌 No.75 9月9日(水)「奇跡の鈴懸祭体育の部」
昨日、帰宅するため電車に乗ったら私の向かいに熊女生が座っていました。何年生かわかりませんでしたが、スマホを横にして動画を見ている様子でした。ちらっと見たら、リズムよく手と頭を動かしていました。おそらく応援合戦のダンスの復習をしていたのでしょう。それほどまでに体育祭を楽しみにしている生徒もいるのですから何とかしてあげたいと思いました。
本日の朝6時に決行の判断をしました。熊谷スポーツ公園陸上競技場の天然芝は水はけも良く応援合戦が可能だということがポイントでした。ふたを開けてみれば、明日は曇りの予報です。昨日の段階では10日が終日雨予報だったので昨日決めた通りに実施することにしました。これも結果論です。明日に回せばよかったじゃないかと思われるかも知れませんが、急な変更は混乱を招きます。昨日の予定通りとして正解だったと思います。
体育委員が7時過ぎには集合してきぱきと準備を進めてくれました。先生方も臨機応変に動いてくれていました。生徒たちもスケジュール通りによく動いてくれました。9時からのリハーサルの様子も見ていました。3年生がリードして短時間で最終確認をしていました。熊女生にとって体育祭のこの応援合戦は特別なものです。まさに熊女の伝統です。
11時からの応援合戦で奇跡が起こりました。予報では11時過ぎから雨だったのですが晴れ間が見えたのです。応援合戦の途中からは完全に晴れ、暑いくらいでした。生徒たちも太陽の光の下パフォーマンスができて喜んでいました。審査員として8つの演技を見させていただきましたが、どの団も素晴らしい演技で甲乙つけるのが非常に難しく、全てに1位をあげたいくらいでした。保護者やPTA役員の方も急な変更の中、会場に足を運んでくださいました。本校の応援合戦は観客席に向かって演技するので保護者の存在が必要です。生徒への応援をありがとうございました。
応援合戦後は学年種目なのですが、私は残念ながら今日も午後から出張で最後まで見ることはできませんでした。3年生の全員リレーだけ見て、先生方に後を任せました。天気予報を見ると雨が降り出すのは14時頃に変わりました。応援合戦は最優先し、雨が降り出した時点で終了と決めていましたが、このままなら最後までできるかもしれません。3年生にとって最後となるこの鈴懸祭体育の部は本来のスケジュール通りで思い切りやらせてあげたかったですが、それでも今日の体育祭は彼女たちの思い出に残るものになると思います。
校長日誌 No.74 9月8日(火)「願い」
本日は朝方ぽつぽつと雨が降っていました。今日も昨日と同じ電車で来たので、熊谷駅に7:11に着くのですが、7時30分前に熊女に向かう生徒が多いのですね。部活動の朝練や早朝勉強の熊女生なのでしょう。
現在、先生方と面談中なので空き時間があまりありません。そんな中、明日の体育祭予行と明後日の体育祭について検討しなければなりませんでした。この雨のせいです。週間天気予報から、まず10日(木)は中止だろうということになりました。明日の9日(水)はこれまた微妙です。体育科の担当教員の案では、明日の予行を本番にし、種目を削って短縮にしたいというものでした。それでも11時頃から雨になりそうなので応援合戦だけはやらせてあげたいと最初に持ってきました。小ぶりならそのままやらせてあげたいというのが担当教員の思いでした。
昼までに時程を確定し、教職員と生徒・保護者に周知するというところで、私は出張となりました。挨拶と講演会の講師紹介があるので時間までには行きましたが、講演の途中で中座し学校に戻ることにしました。案の定、保護者からのお問い合わせに教頭が対応していました。
10日のために仕事をお休みにされた保護者からの問い合わせや明日体育祭を決行することへの問い合わせなどです。本校は熊谷スポーツ公園陸上競技場で体育祭を行うので9日は保護者の観覧を可としてあります。そんな急には休みが取れないという保護者も多いと思いますが、どうかご容赦ください。また、雨の状況にもよりますが、明日6時の時点で中止と判断することもありますし、おそらくこのままであれば応援合戦をして終了となる可能性が高いです。夏休みも応戦合戦の練習をしていた生徒の思いに報いたいと思っています。どうかご理解ください。
臨時バスの手配も変更をお願いし、10日にいらっしゃるはずでしたPTAの役員の方への連絡もお願いしました。あとは明日の天気次第です。予備日である17日(木)も雨の予報なので明日できないと今年度の体育祭は中止となってしまうかもしれません。3年生にとっての最後の思い出となる体育祭を何とかやらせてあげたい、それが教職員の達ての願いです。きっと明日は臨機応援に対応せざるを得なくなるでしょう。生徒の健康面にも十分注意して明日は乗り切りたいと思います。熊女生ならできると私は思っています。
校長日誌 No.73 9月7日(月)「備えること」
本日は不測の事態に備えるため7時30分前に学校に来ました。始発から3本目の電車に乗りましたが東武伊勢崎線も秩父線も通常通りの運行でした。熊谷に着いてみればちょうど小雨で服が濡れることもありませんでした。熊女生が登校する時間帯も大雨の心配はいらないようです。
昨日の日曜日は休んだ気になりませんでした。午前中からずっと天気予報とにらめっこでした。昨日の午前中の予報では熊谷方面は登校時間帯がちょうど豪雨の真っただ中だったので、教頭に連絡して1時間遅れになる可能性があることを先ず教職員に連絡してもらいました。その後、教務主任に連絡し、1時間遅れにした場合の対応について意見交換しました。午後から講師を呼んで講演会を予定しているので大幅に時間を動かすこともできず、変則的な短縮授業も視野に考えてもらいました。
午後からが大変でした。天気予報がころころ変わるのでどう判断したらよいか非常に迷いました。複数の天気予報を確認しましたがどれも違っていましたし、テレビのニュースは関東地方に線状降水帯が発生する可能性を示唆し予測が困難になると伝えていました。しばらくすると豪雨の時間帯が早まりました。それでも遠くから登校する生徒や通勤する先生方のことを考えると、電車が止まっていたり、道路が冠水して道がふさがっていたり、バスの運行も通常通りではなくなったりするかもしれません。あらゆる可能性を検討の材料にしないといけません。
他校の校長にも連絡して対応について聞いたりもしましたが、あまり判断が遅くなると周知が徹底できなくなるので、教頭と相談し17時に最終判断をしました。生徒のみならず保護者も気が気ではないでしょうから早めの判断が必要です。本校は1学期に「台風・降雪・地震等の自然災害による学校の対応について」を決めておいたのでそれに従って登校するよう全校生徒にメールを送付してもらい、HPも随時更新してお知らせしました。
その後、小中学校は10時からの登校にすることになったり、2時間遅れとした高校があったりと判断が正しかったのかと考えてしまいました。連絡内容を変えることはよくないだろうと朝6時の段階で最終的に連絡することにしました。1学期も先生方には伝えましたが、授業確保ももちろん大切ですが、生徒の安全を第一に判断しないといけません。学校は結果オーライではいけないのです。
もし1時間遅れと判断したら当日の雨は大したことはなく、通常通りにできたじゃないかと言われることがあるかもしれませんが、「こうすれば良かった」「ああすれば良かった」とならないようにすることが「備えること」なのだと思います。
校長日誌 No.72 9月4日(金)「異文化共生」
熊女日記にもありましたが、昨日から朝の挨拶運動が始まりました。8時から割り振られた教員が交通安全指導を行い、正門前で生活委員の生徒たちが登校する熊女生に元気に挨拶をしています。管理職の打ち合わせがあるのでずっとはいられませんが、私もなるべく参加しています。「おはよう」と声をかけると「おはようございます」とにっこり微笑んでくれる熊女生がいます。そんな時は、朝から嬉しくなります。
時事通信社の「内外教育」1ページに帝京大学教育学部長の佐藤晴雄氏の「江戸しぐさと異文化共生」というタイトルの文章が載っていました。江戸しぐさは確か小学校の道徳の教科書の題材にもなっていたので熊女生の皆さんも知っていると思います。傘を差してすれ違う時、自分も相手も傘を傾ける「傘かしげ」なども江戸しぐさの一つです。相手を思いやる心を持って気を配る行動です。
多くの熊女生が熊谷駅から歩いて登校するので時間帯によっては通学路や歩道橋で市民の方々とすれ違います。雨の多いこの時期、傘の差し方次第ではトラブルにもなりかねません。私はこの「傘かしげ」の話をうまく使って熊女生に注意を喚起しようと思って読んでいたらどうも佐藤教授の意図は違うようでした。
佐藤教授は、米国留学中の知人が航空機内でリクライニングシートを倒す際に後ろの方に許諾を求めたエピソードを載せていました。私も新幹線などのリクライニングシートを倒す時には後ろの方に「少し倒してもいいですか?」と声をかけます。大抵は「どうぞ」で終わる会話ですが、日本人は相手に迷惑がかかるような時に相手を慮る文化が根付いていると思っています。とはいえ、いきなりリクライニングシートを大きく倒してくる人もいますが。
佐藤教授によると、その時に後ろのアメリカ人から「なぜそのようなことを聞くのか。あなたの座席なのだから倒せばよい。」と返答されたそうです。個人主義的思考の海外ではそのような考えが普通なのでしょう。異文化共生が日本で社会問題となってきている今、日本人特有の「しぐさ」を異文化の人たちには通用しないということを理解する必要があるというのが佐藤教授の考えでした。
人がうかつにぶつかってしまって謝ってきた時に、ぶつかったこちらも避けられずすみませんという思いで「いえいえ、こちらこそ」と謝って人間関係を円滑にする「うかつ謝り」は異文化の人たちには通用しません。「謝ったら責任を認めたことだ」という責任問題として大変なことになります。佐藤氏の文章を読んで、異文化共生と一言で言っても、その裏には文化の違いという大きな壁があることを意識せざるを得ませんでした。熊女生はどう思いますか?
校長日誌 No.71 9月3日(木)「経験格差」
秋雨前線が南下した影響なのか台風24号の影響なのか、今日から雨続きになる模様です。この土日に文化祭を実施する高校は準備も容易ではないし、気温は低くなり熱中症リスクは減るものの雨の対応をしないといけないので大変ですね。
先日、行きつけの床屋に行った時、髪を切ってもらいながら夏休みの宿題の話になりました。まだ若い店主でお子さんは小学生です。定番の夏休みの工作があるのですが、発明工夫の要素を取り入れるという条件が付いており、お嬢さんは大変頭を悩ませていたそうです。ここは父親の出番とばかりに手伝ってあげようとしたら、結局一緒に頭をひねるばかりに。
そこで、お嬢さんに「まずは、今、何に興味がある?」と聞いたそうです。返ってきた答えは「犬を飼いたい。」うちでは犬を飼えないことを家族で話し合ったばかりだったとのことですが、否定せず、「どんなワンちゃん?」と聞くと「可愛いプードル」との答え。店主はすかさず、AIに聞いてみたそうです。そうしたら、ロボット掃除機の上にトイプードルの人形を立たせて部屋を歩き回るようにしたらどうかという回答が出たそうです。これにお嬢さんは俄然とやる気が出て、不用になったもふもふの靴下を使って可愛いトイプードルのぬいぐるみを作り、丸いロボット掃除機の上を装飾し、そこにぬいぐるみをうまく立たせたとのこと。動かしてみると、まるで部屋の中を歩き回るワンちゃんのようで家族みんなで喜んだとのことでした。店長は夏休みの宿題も犬を飼いたいという思いも一石二鳥で解決しましたと笑っていました。こんな風に若い人たちはAIを活用するのかと感心しました。
一方で、何かの記事で読んだのですが、ハワイの小学校では宿題は全く出ないようです。日本の小学生からすれば羨ましい話でしょうが、現地の親は大変だそうです。学校が宿題を用意しない代わりに親が子どもの勉強をコーディネートしないといけないからです。問題集の購入費やワークショップなどの参加料も全て親が負担します。日本ではドリルなどの問題集は学校で配布したり、宿題としてやるべきことを示したりし、宿題のチェックも教員がしたりします。海外ではそれらを親がやることになるというのです。
現在、市によっては部活動を地域に完全移行しています。教員の働き方改革ではかなり有効だと思いますが、参加費や指導料、会場への送り迎えなど保護者の負担は確実に増えます。すると、ご家庭の事情で参加できなくなる児童生徒も出てくると思います。経済格差に加えて、この「経験格差」の問題は教育の分野では無視できなくなってきています。少子化の影響で少人数校では部の数も少なくてやりたいスポーツができなかったり、学校行事も縮小したりしています。ある学校では経験できて、ある学校ではしたくても経験できません。学びの機会確保の問題は本当に難しいものです。
校長日誌 No.70 9月2日(水)「熊谷女子高校新聞」
本日は1,2年生は実力テスト3時間(英数国)と4限から7限まで授業、3年生は1限目に共通テスト説明会があり、2限以降は授業です。
今週末に文化祭を実施する高校は多く、2学期が始まってから準備で生徒たちは忙しいという話を聞きます。この時期に文化祭をやる高校はたいてい1学期に体育祭をやっています。本校は1学期末に文化祭を終えていますので2学期が始まるとすぐに授業ですが、鈴懸祭体育の部は9月9日(水)予行、10日(木)が本番となっています。
9月はまだ暑いので熱中症が心配です。受験生である3年生を考えると体育祭を10月にやるわけにもいかず、本校では7月に文化祭、9月に体育祭が定着しています。学校行事は梅雨、台風、猛暑・残暑という天候を考慮しないといけないので各校苦労しています。
何ともうこの時期にインフルエンザの流行が始まっているそうです。そう言えば、暑いのにマスクをしている乗客が結構います。学校は集団感染の可能性が高いので、熊女生も十分に気をつけないといけません。特に文化祭や体育祭などの学校行事で一気に蔓延することもあります。手洗いとうがい、教室の換気、十分な睡眠を意識してください。
さて、熊女新聞9月号が発行されました。鈴懸祭文化の部やバレーボール大会のことが記事になっていました。バレーボール大会優勝クラスのインタビューよりも校長インタビューの方が長い記事でした。インタビューで録音したものを文字起こししてくれたのでしょうが、会話の言葉遣いがそのままなので、何だか随分軽薄な感じの校長の言葉になっていました。やられたー!これじゃノリの軽い校長です(笑)。
裏面には新聞部が埼玉新聞社を訪問した時の記事が掲載されていました。元編集長の吉田俊一氏の話を大変興味深く読ませていただきました。吉田氏は「取材」と「記事」に分けて新聞づくりのコツを紹介してくださいました。「いい紙面の三要素は迫力、魅力、構成力」だそうです。「最初の段落で結論を書き、後から説明を加えていくいことで、分かりやすく、伝わりやすい記事になる」と新聞部員たちにアドバイスしてくれました。だらだらと校長日誌を書いてはいけませんね。
この9月号を持って3年生の部員は引退です。お疲れさまでした。熊女生の皆さん、是非、編集後記まで読んでくださいね。
校長日誌 No.69 9月1日(火)「2学期始動」
いよいよ2学期が始まりました。電車の中も高校生がいっぱいでした。登校時に友達と喋りながら校門を通る元気な熊女生の姿が見えました。
2学期の始業式と表彰式は各教室でのライブ配信でした。校長講話の一部を掲載します。
「…応援される方も応戦してくれる人がいるから頑張れます。支えてくれる人がいるから最後まであきらめないのです。そういうことは皆さんの日々の生活にもたくさんあります。もうすぐ鈴懸祭体育の部があります。もちろん、運動が得意な生徒もいれば苦手な生徒もいます。でも、応援が苦手な人はいないと思います。一生懸命頑張っている人を応援する、そして応援に応えようとベストを尽くす、そんなシーンをこの体育の部で見られるといいなと思います。
また、応援はスポーツだけに限ったことではありません。2学期には2年生の修学旅行がありますが、その実施に向けて学年やクラスのリーダーになったり、自由行動の班長になったりする人がいると思います。それ以外の人はただついていくのではなく、一緒に考えて協力することでリーダーをしてくれる人たちの応援をすることになります。
3年生は大学受験に向けて勉強が大変になり、自分のことで精いっぱいになると思いますが、一人一人が応援するという気持ちを持っているとみんなで頑張れます。受験勉強は孤独だと思いがちですが、全く違います。クラスの仲間がいるからこそ頑張れるのです。成績が伸び悩んでいる時に相談に乗ってくれる友人は応援してくれている証拠です。成績が上がって喜んでいる友人に、やっかみなく一緒に喜んでやれることも応援の一つの形です。
私はできれば熊女生には人を心から応援できる人になって欲しいと思っています。人を応援できる人は自分が大変な時に応援してもらえる人です。そうして切磋琢磨できる仲間をこの熊女での生活で作って欲しいと思います。
一方で、熊女生には人を応援できる余裕を持ってほしいけれども、それどころじゃないという人もいるでしょう。しかし、人は一人では生きられません。人の支えと応援がどれほど自分にとって力になるのか、経験した人ならわかるでしょう。ですから、熊女生の皆さんには、せめて「応援される」人間になって欲しいと思います。では、どうすれば応援される人になれるのでしょう。その答えは是非ともこの熊女での生活の中で自分で見つけてください。…」
気合を入れ過ぎてちょっと長く喋ってしまいました。それでは、「令和8年度2学期が始まるよー!」とりあえず、明日の実力テストを頑張ってください。
追伸:知り合いからHPの「校長日誌」をスマホからだと見つけにくいと言われました。あまりHPの前面に出るのは恥ずかしいので私はこれでちょうど良いと思っています。ちなみに、HPトップ画面の2つ目の三本線のアイコンを押すとリストが表示されます。「校長室より」をタッチし、もう一度三本線のアイコンをクリックすると校長日誌の画面が出てくるのですが、トップページの新着情報にタイトルがアップされますので、2学期からはタイトルに「校長日誌」を付け加えることにしました。それに、最近、いつもの癖で文章が長くなってきましたので熊女生に読んでもらえるように手短にしていきたいと思います(反省)。
No.68 8月31日(月)「趣味」
夏休み最後の日です。電車の中は高校生があまりいませんでしたが、熊女生は今日も学校に来て自習室で勉強したり、部活動をやったりしています。私の高校時代ですが、2学期始業式の日に久しぶりにクラスメートと会って、まるで人種が変わったかのように真っ黒に日焼けした友人を見て茶化したことを思い出します。私はバスケットボール部でインドアでしたのであまり日焼けせず、テニス部やサッカー部などのアウトドアの友人は夏の間にしっかり日焼けしていました。熊女生は応援練習で既にクラスメートとは会っていますから久しぶりに会うという感じはしないのでしょうね。
私は管理職になってから時間に追われることが多く、気がつくと一日が終わってしまうというような生活を続けてきました。夏休みだから暇になるという訳ではありませんが、振り返ると少しはゆったりと時間を使うことができました。本来なら学期が始まっても、じっくりと物事を考えたり、時にはボーッとしたりする時間を過ごしたいのですが、また明日からは気がつけば一日が終わってしまうという生活に戻るのでしょう。
突然ですが、熊女生の皆さんには趣味がありますか。以前勤めていた高校で面接練習をした際に「趣味は何ですか?」と質問すると「寝ることです」と答える生徒がいましたが、それは趣味ではありません。趣味とは本来、仕事や勉強とは別に自分が夢中になれるもので長く続けられるもの、そして人生を豊かにしてくれるものです。海外でHobbyと言えば、かなり深く取り組み、そのことに精通しているものを差します。だから「趣味は読書です」などと言うものなら、「好きな作家は誰か?好きな作品は何か?それについてあなたはどう思ったか?」など突っ込まれます。私の趣味は寝ることですなんて言ったら笑われます。
かくいう私には趣味という趣味がありません。これは危険です。仕事や勉強が忙しい人ほど趣味があると良いと思っています。気持ちの切り替えができるからです。趣味によって学力が上がったり、出世したりするものではないですが、日常にメリハリがつくというのは精神衛生上好ましいと思いますし、趣味を通じて新たな人脈ができたり、大人になってからその趣味が生きてくることがあります。私の友人にはバイクを趣味にしている人がいます。忙しい合間を縫って、ツーリングしたり、自分でバイクをメンテナンスしたり、行った先で釣りをしたり、美味しいものを食べたりしています。SNSで送られてくる写真を見ると羨ましくなります。
いつかやろうと思っていると私みたいになってしまうので、勉強や部活動で忙しいでしょうが、熊女生には是非、「趣味」を見つけてほしいと思います。それは必ずあなたの人生を豊かにしてくれるはずです。また取留めのないことを書いてしまいましたが、充実した最後の夏休みをお過ごしください。
No.67 8月28日(金)「自己肯定感」
年齢からなのか、仕事柄からなのか、今まで多くの人と出会い、接してきました。優秀な人はたくさんいるものです。優秀とは学歴とか地位だけのことではありません。人間的に素晴らしい人です。この歳になっても自分はまだまだだと常に感じます。今年の6月に亡くなられた美輪明宏さんは、まるで魔力があるかのように人の本質を見抜いてしまいます。私たちの知らない芸能界という世界でいろんな人と会い、いろんな経験をするうちに人間観察力がついたのでしょうか。
美輪さんほどではありませんが、ようやく私も何となくですが人を理解できるようになってきたと感じます。若い頃はとんがっていましたし、自分こそはと前面に出しゃばったり、なんで自分ばかりが苦労するんだと思ったりとそんな時期もありました。人の話を聞くよりも自分が喋ってしまう、そんな人間でした。しかしながら、歳を重ねるにつれ、自分の身の丈に合わない欲がなくなり、与えられたところで人のために全力を尽くそうという気持ちに変わってきました。そうすると人の見方も変わってきたように感じます。
人から尊敬される人は独特のオーラを持っています。相手が誰であろうとも常に謙虚で過度な自慢などせず、人の話を真剣に聞き入れる姿勢があり、それでいてどっしりとした存在感がある人です。接していて安心感のある人です。一緒にいて心地よい人です。上司の前と部下に対しての態度が変わらず、周りから信頼され頼られる人です。そういう人になりたいと思っていますが、私はまだ修業が足りません。
今までたくさんの生徒や先生と接してきましたが、自己肯定感のある人はどんな状況に陥っても最後は苦難を乗り切り、自分の力で幸せを築いていっていると感じます。自己肯定感とは自信とかプライドとかとは少し違います。「自分ならできる」という自分を信じる心だと思います。一方で自己顕示欲の強い人もいます。昔の私もそうだったかもしれません。自己顕示欲が強いということは逆にコンプレックスの表れなのかもしれません。総じて自己顕示欲の強い人からはだんだんと人が遠ざかっていきます。
美輪明宏さんは「他人と自分を比べて優越感や劣等感を持つのはくだらない他人指向。大切なのは自己志向。自分が満足して自分が納得すればいい。」と語っています。自己肯定力の高い人は他人と自分を比べたりしません。だから、優秀な人には「すごいね」「すばらしいね」と心から言葉を発することができます。そこにはやっかみや妬みなどありません。ましてや劣等感など生じません。
900人以上もいる熊女生は一人一人が違います。性格や育ってきた環境も異なります。中には自分に自信が持てず、周りが優秀に見えてしまう人もいるでしょう。それでも自分くらいは自分を信じてあげても良いのではないでしょうか。美輪さんの言う自己志向は我儘ということではありません。自分を否定するのではなく、自分を肯定できる人に熊女生にはなってもらいたいと思います。自己を肯定できる人は必ず幸せになれると私は思います。
No.66 8月27日(木)「校長講話」
体育祭の朝練習も昨日で終わりました。今日は朝からグランドではソフトボール部、弓道場で弓道部、体育館ではバレーボール部とバドミントン部が練習の準備をしていました。今は曇り空ですが昼前から雨になる予報です。富山県と石川県で線状降水帯が発生し、レベル5の大雨特別警報が出されました。既に浸水や河川氾濫の警戒が必要だそうです。千葉県の大雨も記憶に新しいところですが、今年の夏は各地で大雨に見舞われています。現地の方々の無事を祈ります。昨日、ネパールの大洪水の映像を見ましたが、自然の猛威は本当に恐ろしいものです。
さて、さすがに私も2学期の準備を進めなくてはなりません。校長は入学式の式辞に始まり、始業式・終業式の校長講話、学校行事のパンフレットや広報誌などの挨拶文など原稿を書くことが非常に沢山あります。自分自身の高校時代を振り返ると、当時の校長の話は覚えていないので、一生懸命に原稿を作成しても誰も覚えていないはず、校長の挨拶文だってきっと読み飛ばされるだろう、だったらそんなに気合を入れなくてもいいかと心が揺らぐことが度々あります。
採用はしませんでしたが、一度試しに生成AIで校長講話を作ってみたことがあります。プロンプトで細部を指示するともっともらしい文章が出来上がります。ただ、足りないものがあります。それは生徒に関するエピソードです。校長は日々の生徒の頑張っている姿を見ています。その時に感じた思いを校長講話で伝えることができますが、AIは実際の生徒を見ることはできないので生徒の様子がわかりません。また、私は熊女が校長として4校目となりますが、以前勤務していた高校で作った原稿はほぼ再利用しません。なぜなら生徒が違うからです。話題もタイムリーでなくなるからです。
校長がいろんな本を読んだり、新聞各紙に目を通したりするのも生徒に話すネタ探しのためと言えるかも知れません。仕事で講演会に出席してもこの話は生徒にも伝えたいなとか、ネットニュースを読んでいてもこれはうちの生徒に考えさせたいなと校長目線で捉えてしまいます。以前、有名人の名言集のような本を買って挨拶に使おうと思いましたが、借り物は美辞麗句を並べるだけになってしまうのであまり活用していません。
主幹教諭時代、当時の校長が始業式の校長講話をする前に私にストップウォッチを手渡しました。5分ぴったりで話すから計ってくれと言うのです。驚くべきは原稿なしで生徒を見て力強く話し、しかも本当に5分ジャストだったことです。このためにどれほど練習していたのでしょうか。私には到底まねできません。
教頭時代、当時の校長が定年退職する際に、ご自身の校長講話や挨拶文などの原稿を記念として冊子にまとめ、お別れの日に私にもくださいました。その時その時の校長の思いが詰まっていました。きっと一つ一つの原稿作成に心血を注いでいらっしゃったのでしょう。わが身を振り返らざるを得ません。校長として文章に残るものは手を抜いてはいけないと思いました。
HPに校長の式辞や講話の原稿をアップする高校が増えました。熊女の校長として格式高い文章を作りたいのですが、私は肩肘張らずに等身大の文章にしています。私も全文を載せていた時期もありましたが、最近は一部を抜粋して「校長日誌」にちらっと載せています。公にしてはまずい話はしていませんが、生徒だけに伝えたい話もありますし、ちょっと笑いを取りにいくこともありますので。
ここまで書いたところで、2学期始業式の校長講話をそろそろ完成させましょうか。熊女生に話したいことが沢山あります。9月1日は暑さ対策のため各教室へのライブ配信となります。熊女生の皆さんは涼しい教室で聞いているので、5分を超えてもよろしいでしょうか。