日々是好日
君たちはどう生きるか(2学期始業式・校長講話)
今日から2学期が始まりました。皆さんはどんな夏を過ごしましたか。
世界に目を向けると、さまざまな出来事がありました。ハワイの大規模な火災など気候変動に関する報道では、地球環境の重要性を改めて考えさせられました。また、社会的な課題にも目を向けると、人々が平等や人権、社会的正義について声を上げる姿が見受けられました。私たちも、自分の立場からできることを考え、共感と行動そして対話による解決を大切に行動していきましょう。
本校では、7月から始まった管理棟の改修工事もほぼ終わり、トイレなどもきれいになりました。壁や床の色については美術部の生徒にアドバイスをいただいて選定しました。今後、体育館トイレ等の改修も引き続き行われる予定です。
さらに、生徒の活躍では、終業式の壮行会に間に合いませんでしたが、水泳部のインターハイ出場、各部活動の合宿や大会、コンクールや黒板アート作成、夏期講習に打ち込む生徒など一人一人が有意義な夏休みを過ごしてくれていたことと思います。
さて、1学期の終業式で「命」について話をしました。命を意識することは、どう生きるかを考えることです。「どう生きるか」と言えば、宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」という映画を見た人はいますか。
宮崎監督の映画らしく、不思議な世界観と美しい映像表現が素晴らしかったです。映画を見るまで知らなかったのですが、同じタイトルの本とは別のストーリーで少し戸惑いました。皆さんには本の方の「君たちはどう生きるか」を読んでほしいと思います。
「君たちはどう生きるか」という本は、吉野源三郎が1937年に書いたものですが、今を生きる私たちにとっても多くの示唆に富んでいます。
内容は、15歳の少年コペル君が、叔父さんからの手紙や日常の出来事を通して、自分の生き方を考えて成長していく物語です。現代でも多くの人々に読まれている理由は、本書が提起する「どう生きるか」という問いが普遍的であり、読者自身が考えることを促すからでしょう。
私が印象に残っているのは、叔父さんがコペル君に送った手紙の一節です。「人間というものは自分自身を知らなければならない。自分自身を知るということは何かというと、自分が何者であるかということだけではなくて、自分が何者であろうとしているかということでもある。」
私たちは皆、自分が何者であるかということを知りたいと思っています。そして、自分が何者であろうとしているかということを決めたいと思っています。しかし、それは簡単なことではありません。自分自身を知るためには、自分の強みや弱み、好きなことや嫌いなこと、価値観や目標などを探求する必要があります。そして、自分が何者であろうとしているかということを決めるためには、自分の可能性や選択肢、責任や影響などを考慮する必要があります。
みなさんは高校生で、これから進路を考えて選択し、社会に出ていく準備をしなければなりません。そのためには、「どう生きるか」という問いに答える必要があるのです。しかし、「どう生きるか」という問いに答える前に、「どう生きようか」という問いに答える必要があります。「どう生きようか」という問いに答えるためには、「自分自身を知る」ということが必要です。
この2学期、私は皆さんに「自分自身を知る」ことに取り組んでほしいと思います。自分自身を知ることは、自分の生き方を決めることにつながります。自分の生き方を決めることは、最終的には自分の幸せを探すことにつながります。私は皆さんが幸せな人生を歩んでくれることを願っています。
とはいえ、どう生きようかという問いに、なかなか答えが出せないと思っている人もいるでしょう。そんな人におすすめの本を紹介します。それは、山極寿一さんの「京大総長、ゴリラから生き方を学ぶ」や「ゴリラからの警告」という本です。
山極さんは、本校が数年前から連携して研究室を訪問させていただいている、京都大学の元総長で世界的なゴリラ研究者です。山極さんの著書には、人として、どう生きるかを考えるヒントになる言葉がたくさんあり、動物の生態を通じて人間の生き方を考える興味深い内容となっています。ゴリラの持つ特性を通じて、社会的な共感や適応力、協力など、人間が大切にすべき価値観について洞察を与えてくれています。
私はもう少しで退職の年を迎えますが、まだまだやりたいことがたくさんあります。改めて、吉野源三郎の「君たちはどう生きるか」という本を読み返してみようと思います。そして、皆さんと一緒に「どう生きようか」という問いを自分自身に答えていきたいと思います。
最後に、皆さんに「君たちはどう生きるか」という問いを投げかけて、私の話を終わりにします。
校長講話 (1学期 終業式)
終業式にあたり、初めに土屋先生の話をします。
日本史の土屋先生がお亡くなりになったことは皆さんも知っていることと思います。多くの生徒も葬儀に参列してくれました。日本史選択の生徒や毎日熱心に指導していただいた卓球部の生徒はとてもショックだったと思います。私たち教職員も同じ気持ちです。
実は土屋先生は約3年半前からがんを患っていました。3年前、2020年の3月には初めの手術をしています。その時には、すでにがんの転移が見つかっていて、抗がん剤で治療を続けていました。転移が取り除けないという状態で、自分の命が長くはないと知りながら、人生をかけて取り組んできた教師という仕事を最後まで現役で全うされました。
土屋先生は、誰よりも教師という仕事の尊さ、人を育てるという責任をもって仕事に取り組んでこられました。だからこそ、入院の直前まで部活動の大会に引率し、入院してから私と電話で話した時も、受け持っている日本史の授業をあけてしまって生徒に申し訳ないなどと、熊女のことをずっと気にしておられました。そんな土屋先生を、私は教員として、人として心から尊敬しています。
本校にとって、土屋先生がお亡くなりになったことは大きな損失ですが、残された私たちが頑張ることが、何よりの供養になるはずです。土屋先生の熱い授業を思い出しながら、今を生きる私たちはひたむきに頑張っていきましょう。改めてご冥福をお祈りします。
さて、今日は「命」について話をします。
自分自身のことですが、「死」を意識した経験は2度あります。1度目は小学生の時に野球をやっていてバットが頭にあたり、頭蓋骨陥没の大きな手術をしたとき。私の両親は医師から死を覚悟するように言われたそうです。その手術をしたお医者さんに、伝えられなかったお礼を言いたくて10年ほど前に再会しました。命の恩人である先生が私に話してくれたのは、「私は外科医として、今ある命を継ぎはぎのように繋ぎとめる仕事をしてきた。君は教育という未来を創る仕事をしているのか。」と嬉しそうに話してくれました。
2度目は南太平洋にあるバヌアツ共和国という途上国の離島で、40度近い熱が数日続いて意識がなくなりそうになっていた時。病院は首都まで飛行機で2時間くらいかかり、しかも次の便は来週まで来ないといわれ、この島で死んでしまうかもしれないと思いました。幸い、魔術師に祈祷していただき、なぜか回復しました。
そんな途上国では、マラリアやデング熱などにかかると、免疫力のない小さな子供が死ぬとことはよくあることでした。ある時、小さな子供が亡くなり、お葬式をするための神父がいないため、代役をしたことがあります。私は信者ではないのですが、島に住んで1年半ぐらい経ち村の酋長になっていたのと、いちばん白いシャツを持っていたという理由でした。
島では土葬するので、木の枝で長さを測って穴を掘ります。子どもの墓穴は小さく、穴を掘ったときの土の山はとても小さく、これだけしか生きられなかったのかと涙が止まらなかったことがあります。
その島で、子供たちの将来の夢について聞いたことがあります。日本ではサッカー選手、宇宙飛行士、IT会社経営者、医師など多様な夢を答えてくれます。一方、島の子どもたちは、長老、おじいちゃんになりたいが一番多い答えでした。生きるということが大変だからこそ、長く生きている長老に対してリスペクトを持っているのだと思います。途上国の抱える課題を目の当たりにする反面、日本が無くしてしまった大切なことも感じる出来事でした。
私が赴任するまで島には小学校までしかありませんでしたから、その先の学校に行くことや、ましてや海外に行くなどという夢は描くことさえできない環境があるのが途上国など世界の現実です。
世界的には大学まで進学する機会を得る人は少数です。しかし。皆さんは日本で生まれ、様々な将来の夢を思い描くことができる自由がある幸運を最大限に生かして夢の実現に挑戦してください。
国際機関で難民支援に尽力し、困難な状況にある世界の人々に寄り添い多くの命を救った緒方貞子さんの言葉を紹介します。「文化、宗教、信念が異なろうと、大切なのは苦しむ人々の命を救うこと。自分の国だけの平和はあり得ない」世界に広がる“自国優先”の姿勢や“難民への無関心”や日本が内向きになっていることを、緒方さんは晩年、深く憂いていたと言います。
緒方さんは広く世界を見てこの言葉を語っていますが、小さな社会においても同じことだと思います。例えば学校、会社、地域などにおいても、自分だけではなく、周囲も含めて幸せな社会を作る人になってくれることを期待します。
明日から夏休み、コツコツと実力アップして将来の夢に近づくための夏にしてください。
令和5年度入学式 校長式辞
春は、希望の季節と言われています。植物が芽吹き、動物が活動をはじめ、この世に命あるもの全てが生き生きとした輝きを見せているこの春の日に、本校PTA会長の藤井様をはじめご来賓の皆様、更には多くの保護者の皆様方の御臨席を賜り、入学式を挙行できますことは、教職員一同、そして在校生にとりましても大きな喜びであります。
さて、ただ今、入学を許可されました320名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。皆さんの入学を心から歓迎いたします。皆さんは、めでたく本校に入学することができました。これは皆さんひとりひとりの努力の賜であることはもちろんですが、皆さんをこれまで全身全霊で慈しみ育てて来られた保護者を初めとする御家族の皆様、更にはこれまで御指導下さった先生方など皆さんを取り巻く多くの方々に支えられてきたことを心に刻み、感謝の心を持って、高校生活に踏み出して欲しいと思います。
今からおよそ2600年前の、中国の孔子の言葉や行動を記した、皆さんもよく御存じの「論語」という書物があります。渋沢栄一翁の「論語と算盤」の原点ともなる書物です。論語の中に、「子曰く、我十有五にして学に志す」という一節があります。「十有五」とは、漢数字の十に、有り無し(有無)の有、そして漢数字の五、と書きますが、つまりは十五歳のことです。すなわち、「私は、十五歳の時に、学問によって身を立てようと決心した」という意味です。これは、自分の将来の目標を明確に定めたということであり、十五歳で志しを立てたわけであります。
そしてその後、孔子が偉大な学者、思想家として高く評価されるとともに、儒学という学問の基礎を築いたことは余りにも有名な話です。
そこで、高校生活において、皆さんに取り組んでほしいことを伝えます。15歳の高校入学を機に、なるべく早く孔子の例のように志を立てて欲しいと思います。
高校を卒業する3年後ではなく10年、さらにその先に向けて、自分は、将来何によって身を立てるのか、あるいは、どんな夢を目指して生きていこうとするのか、ということです。
埼玉県出身の宇宙飛行士若田光一さんは、高校時代から、「宇宙飛行士になる」という夢を持ち続け、よくクラスでその話をしていたそうです。当時は、級友も本気にせずに聞いていたそうですが、見事にその夢を実現しました。また、若田さんは、「私は、夢が叶った数少ない、運のいい人間かも知れません。でも夢があったからこそ、毎日毎日の地味な努力や厳しいトレーニングにも耐えられました。」と話していました。若田さんは、高校生の時に「宇宙飛行士になる」という夢を描き、目標を持ち、志を立てたわけです。
例えば、皆さんも、外交官やジャーナリストとなって世界をまたにかけて活躍したい、医師や看護師となって多くの人の命を救いたい、教育者になり子供たちの未来の可能性を広げたい、弁護士などの法律家となって世の中の正義を守りたい、芸術家や作家となって多くの人に感動を与えたいなど、志は極めて様々でありそれぞれ素晴らしいものです。
熊女には出る杭は打たれないという校風があり、今も脈々受け継がれています。新入生の皆さん、どうぞ思いっきり飛び出る杭となって高い志を立ててください。
日本電産会長 永守重信氏の言葉に次のようなものがあります。
「物事を実現するか否かは、まずそれをやろうとした人が〈出来る〉と信じることから始まる。自ら〈出来る〉と信じた時に、その仕事の半分は完了している。」
志さえ立てられれば、そして人生の目標さえ持てれば、人に言われることなく、自らの意思で、進んで努力をすることができますし、どんな苦労にも耐えられます。将来の進路をしっかりと見据え、目標の実現に向けて、充実した高校生活を是非送って下さい。
私たち教職員一同、皆さんの指導に全力で当たります。そして、全力で応援します。本校に入学した皆さんが、花の冠を高くかざし、熊女で三年間過ごせてよかったと思える高校生活を送ってくれることを願い、式辞といたします。
令和5年4月7日 埼玉県立熊谷女子高等学校長 佐藤智明
夢の扉を開けるには
【1学期始業式】
今日から令和5年度の学校が始まります。新しい年度にあたり「志」の話をしようと思います。
私が「志」から、真っ先に思いつくのは次の言葉です。
「少年よ、大志を抱け!」
皆さんが知っている有名な言葉です。昨年度の卒業生も進学している北海道大学(旧札幌農学校)の
William Smith Clark 博士が帰国の際に教え子たちに残した言葉といわれています。この言葉には続きがあり、この続きの言葉にこそクラーク博士の真意が込められていると思います。
「少年よ大志を抱け
利己のためや、はかなき名声を求めるのではなく
人としてあるべき本分をなすために、大志を抱け」
本当にクラーク博士が言った言葉かどうか諸説あるようですが、私はこれがクラーク博士の真意であり、このような深い意味があるからこそ、後世に語り継がれる言葉となったと思います。
ところで、漫画の宇宙兄弟を読んだことがありますか。私が、好きなシーンに次のような言葉があります。
「人の人生にはいくつもの『夢のドア』がある
人は・・・例えば『宇宙に行く』みたいな大きな夢を持った時
目の前に現れたバカでかいドアに畏縮して
向こう側へ行くことをあきらめちまう
『開けられるわけない』ってな
だがビビることはないんだよ
本当は初めからそんな
バカでかいドアなんてものはない
小さなドアがいっぱいあるだけだ。」 (宇宙兄弟 第22巻 小山宇哉)
これまでに、いろいろな挑戦や挫折をした経験から、この言葉を実感しています。確かに壁にぶつかっている時には気が付かなかったが、思い返せば「バカでかいドア」なんてなかったと感じます。私自身、いくつになっても、小さなドアを開け続けていきたいと思っています。
いま、皆さんには「夢」「やりたいこと」「10年後になりたい自分」が見えていますか。夢は、それが実現できるかどうかは問題ではないし、考えなくていい。夢を持ちそれに一歩ずつ近づく努力を続けることが大切です。夢の実現へのロードマップは、大きなドアを開けようとするのではなくて小さなドアをひとつづつ開けていく、つまりスモールステップで着実に前に進むことが結局は大きな夢を実現する方法なのだと、私は思います。
さらに、夢の実現のためにもう一つ大切なことは、自分の学びを自分でマネジメントできる力をつけることだと思います。与えられる学びだけでは、夢をつかみ取る力は身につけることはできません。学びのマネジメントは、一生涯をかけて学びを続けるための力になり、大きな目標に近づく武器となります。今年は、そのための仕掛けを先生方と考えています。
終わりに、令和5年度、新たな学年で気持ちをリフレッシュして一歩ずつ前に進んでください。
皆さんの夢の実現を私たちは全力で応援しています。
目標の立て方とセレンディピティ
【3学期修了式講話】
今日は3年ぶりに、体育館で行う修了式です。3年生が卒業したあとの体育館は、少し寂しさを感じがしますが、4月には新入生が入学してきます。入学式には皆さんも参加していただき、共に新入生を歓迎しましょう。
今日は次年度に向けて「目標の立て方とセレンディピティ」という話をします。
皆さんは、自分の将来の目標をどのようにに立てているのでしょうか。WBCで日本の優勝に貢献した大谷翔平選手の目標の立て方について、興味深い記事があったので紹介します。大谷選手は目標達成のために取り組むべきことを、マンダラチャートのようなものを使って、高校生時代に何枚も書いたそうです。マンダラチャートとは9×9の合計81個のマス目があるシートを使います。まず中心にあるマスに自分が達成したい「大きな目標」を記入する。そのマスを取り囲む8つのブロックには、その目標達成に必要な要素を埋めるもので、ビジネスの世界でも使われることがあります。
大谷選手が、高校1年生のときに書いた81マスの「目標達成シート」では、多くの高校球児が目標として甲子園出場などと書くところを、もっと先の目標として、プロ野球球団からの一位指名と高い目標を書いています。 目標の周りには「体づくり、コントロール、切れ、スピード160Km、変化球、メンタル、人間性、運」と書いています。野球選手として向上するための要素が並ぶのは予想がつきますが「運」という言葉を必要な要素として書いていることを不思議に思いました。さらに「運」を囲む8個のマスには「本を読む」「あいさつ」「ゴミ拾い」「道具を大切に使う」「審判さんへの態度」「部屋掃除」「応援される人間になる」「プラス思考」と記入されています。つまり、「運というものは、偶然与えられるものではなく、自らの行動で呼び込むもの」ととらえているのです。
私はこの記事を読んだときに、筑波大学名誉教授 白川秀樹先生がノーベル化学賞を受賞したときに話題となった「セレンディピティ」という言葉を連想しました。この言葉の由来は、ペルシャのおとぎ話で「セレンディップの3人の王子」というのがあり、主人公が初めは求めていなかったものを、偶然や賢明さによって価値のあるものを見つけ出すストーリーです。このことから、ふとした偶然をきっかけに幸運をつかみ取ることを「セレンディピティ」という言葉で表現するようになったそうです。
白川教授の研究は「導電性高分子の発見と開発」つまり、電気を通すプラスチックの発見です。もし、これが発見されていなければ、皆さんが使うスマホやiPadのタッチパネル、さらにリチウムイオン電池などの実用化がなかったといわれており、世界中の人々の生活を大きく変える発見をしました。なぜこの発見がセレンディピティと言われるかというと、あるとき、白川教授の研究室にいる留学生が触媒の量を間違えて1000倍も加えてしまいました。実験としては予定外だったのですが、その失敗した生成物をこれは何か面白そうだなと思って研究したことによって、この大きな発見につながったというエピソードがあるからです。
同じようなことを多くの科学者たちが言っていて、アメリカの物理学者、電磁誘導を発見したジョセフ・ヘンリーも「偉大な発見の種は、いつでも私たちの周りを漂っている、しかしそれが根を下ろすのは、それを待ち構えている心にだけである」との言葉を残しています。
いま、皆さんが取り組むことはなにか。それはチャンスがいつ訪れてもいいように、日頃から準備を怠らないことではないでしょうか。準備とは、勉強はもちろん、学校行事や部活動、日頃の生活をきちんとする、身の回りを整える、あいさつをする、興味あることはとことんやってみるということです。
これらは本校の「3ばる」をしっかりやっていれば、自然に身につく力です。 熊女には皆さんの可能性を広げるチャンスがたくさんあります。新年度に向けて目標をしっかり立て、運も味方につけることができる高校生活を送ってくれることを期待しています。
卒業証書授与式 式辞
令和4年度卒業式 校長式辞
桜の芽も色づき、校庭に吹く風に春の柔らかさを感じる、今日のよき日、御来賓の皆様、保護者の皆様に御出席いただき「令和4年度第75回卒業証書授与式」を挙行できますことは、卒業生はもとより、私たち教職員にとりましてもこの上ない喜びでございます。これまで支えていただいた皆様に心より感謝申し上げます。
ただいま、卒業証書を授与した307名の卒業生の皆さん、御卒業おめでとうございます。
皆さんの高校生活のスタートは、新型コロナウイルス感染の拡大により、高校に入学はしたものの一斉休校により学校に通学できたのは1学期の途中からでした。学校行事や部活動の大会も中止となり、皆さんが思い描いていた高校生活ができずに、不完全燃焼のまま卒業を迎えたと感じている人もいることでしょう。
しかし、この時代だからこそ誰も経験しなかった経験を重ねたことも事実です。
一斉休校が始まったとき、リモート授業は対面授業を補完する目的で行われました。しかし、今では積極的にリモートの利点を生かした授業が当たり前のように行われるようになりました。
これからの時代は、Society 5.0と呼ばれる超スマート社会です。皆さんは、AIやロボットの普及により社会基盤が変わろうとしている時代の最先端にいるのです。
ChatGPTなどAIがあたかも人間のようにふるまい会話ができる時代、さらにシンギュラリティといって、AIが知能を持ち人間を超える分岐点が近いという話さえあります。
しかし、AIがいくら人間に近い会話をしていても、過去の膨大なビックデータから次に答える言葉の確率が高いものを繋げているというプログラムにすぎません。膨大なデータを扱う能力はAIが優れますが、深く考察し新しい未来を創造することは人間にしかできないことです。
さて、世界を見渡すと、ロシアとウクライナの戦争、コロナなど新しい感染症の拡大や明日で発生から12年目となる東日本大震災などの自然災害など、絶えることのない不安が続き、行き先不透明な時代です。
平和で安心した社会に皆さんを送り出せなかったことは、これまでの社会を作ってきた私たちの世代の責任であり、一社会人として悔やまれてなりませんが、先がわからない未来だからこそ、大いなる可能性も秘めていると考えてはどうでしょうか。
世界では持続的な開発が謳われ、地球を破壊から守るための国際協約がいくつもできました。地球の資源は有限であり、人間が発展する道には限界があることが共通理念となりました。日本もパリ協定で謳われたSDGsを基に社会全体で17の目標について取り組みを実施しています。これからの社会には、地球規模で生物多様性や人間社会を包摂的にとらえる思考方法が不可欠になります。
このような時代に本校を卒業する皆さんは、多くの先輩たちと同じように「さんばる」の精神で何事にも全力で取り組んできました。その前向きに挑戦する姿勢はこれからの時代においてきわめて貴重な財産になるでしょう。熊女には何事にもあきらめずに仲間と共に取り組む伝統があります。まだ誰もやったことのない未知の境地を切り開くことこそが、熊女の誇るべきチャレンジ精神です。
アメリカのアル・ゴア元副大統領がノーベル平和賞受賞式典の演説で引用したアフリカのブルキナファソのことわざに
If you want to go fast, go alone. If you want to go far, go together.
(早く行きたければひとりで行け、遠くまで行きたければ、皆で進め) というものがあります。
時には一人で突っ走るのもいいでしょう、ただし、大きな目標を掲げそれを成し遂げるためには、一緒に走る仲間が必要になります。そんなときに、熊女で仲間とともに頑張った経験が必ず役に立つはずです。
先日JAXAの宇宙飛行士試験の結果が発表され2名の宇宙飛行士が誕生しました。一人は女性、そしてもう一人は46歳の男性です。46歳の男性、諏訪 理(すわまこと)さんは最年長の合格者で、いくつになっても夢をあきらめないことの大切さを教えてくれました。
これから皆さんの進む道はさまざまに分かれていきます。しかし、将来どこかで再び交差することがあるはずです。そのとき、熊女の卒業生として誇れる出会いをしていただけることを私は切に願っております。
結びに、保護者の皆様、お子様の御卒業、心からお祝い申し上げます。皆様にはPTA会員として、本校の教育活動に温かい御理解とお力添えをいただきました。本校教職員を代表して厚く御礼申し上げます。
卒業生の皆さんの御健勝と御活躍を心からお祈り申し上げ、式辞といたします。
令和五年三月十日
埼玉県立熊谷女子高等学校長 佐藤智明
共生社会の創り手に
【3学期校長講話】
あけましておめでとうございます。今日から3学期が始まります。今朝、東の空にまるく虹がかかっていたのを見た人はいますか。始業式の朝に、何かいいことが起こりそうな気持になりました。
3年生は、大学入学共通テストまであと1週間、まずは体調を整え、これまで積み重ねてきた実力を発揮することを期待しています。熊女の制服を着るのもあと約15日、3年だけでなく全校生徒の皆さんも、一日一日を大切に過ごしてください。
さて、2学期の終業式で 国際協力の話から、国と国との信頼関係も、人と人との信頼関係と同じであり、相手のことを思いやりながらコミュニケーションをすることが大切だという話をしました。
今日は 共生社会について話をします。
昨年のテレビドラマで、「Silent」というのを見ていた人はいますか。目黒連さん、川口春奈さんなどが出演していて、主人公の耳が聞こえなくなる先天性の病気にかかることからストーリーが展開していきます。普段あまりテレビを見ないのですが、私が興味を持ったのは、この難聴という障害について、テレビではどう表現しているのか気になりました。以前、特別支援学校に勤務した経験があり、障害のある方から見るとまだまだ日本社会は多くの偏見があり、障害者に優しい社会ではないと感じていました。テレビ番組で間違った印象が広がることを心配しましたが、作家が元看護師さんということもあり、とても丁寧に描かれていて安心しました。
このドラマでよかったと思うことは、主人公をとりまく人達がそれぞれ違うアプローチで相手を思いやるコミュニケーションをしていたこと。聾者とのコミュニケーションというと手話がまず思い浮かぶ人が多いと思います。しかし、筆談やスマホを使うコミュニケーションもあります。それぞれが相手を思いやりながら違う手段でコミュニケーションをとっていたことが印象的です。
語学でも同じですが、英検1級を取得しているからといってコミュニケーションが取れるわけではない、大切なのは話すべき内容を持つこと、それには相手のことに興味をもって、相手のことを考えた言葉のキャッチボールができることが大切です。
ところで、聴力に障害がある人のことを「聾者」呼びますが、反対語は何かわかりますか。
テスト問題の回答ならば「健常者」と答えると思いますが、私は少し違和感があります。
ドラマでは、聴力がある人を「健常者」ではなく「聴者」という言葉を使っていました。聞こえない「聾者」に対して、聞こえる人は「聴者」。単に聴覚能力の有無を表す言葉です。つまり、聞こえる人を「健常」とか「健聴」のように、わざわざその状況を「健全である(裏返せば、聞こえないことが健全ではない)」と表現する必要はないと思うのです。
人間は誰もが球体のように平均的にバランスが取れているわけではありません。誰もいびつに得意なことや不得意なことがある、それこそが健全な状態です。もし、周囲に苦手なことで困っている人がいて、自分ができることがあれば一緒に取り組めばいい。そうすれば、自分が困っているときもきっと手を差し述べてくれる人が現れるでしょう。一人ではできないことも、協力すればきっとできる。そんな人間関係を作ってください。
一人一人が互恵的な人間関係を作ることが、未来の共生社会の実現に繋がっており、皆さんにはそうした社会の創り手になってくれることを期待します。
国際協力から考えるコミュニケーション
【2学期終業式 校長講話】
今日は国際協力というテーマから話をします。
今年度、国際協力機構(JICA)と埼玉県教育委員会の「高校生の異文化理解フォーラム」という事業で、本校生が南アフリカの高校生とオンラインで交流し、その様子が新聞にも掲載されました。
実は、日本とアフリカは遠く離れていても、とても関係の深い地域です。皆さんはアフリカ開発会議を知っていますか。30年前の1993年、世界におけるアフリカの重要性をいち早く認識した日本が主導し、東京で初めて開催され、その後3年ごとに開催しています。
アフリカは、現在約14億の人口から2050年には24億人にまで増えると予想され、世界経済の「最後のフロンティア」と呼ばれており、世界各国が注目しています。そのため、各国がアフリカに経済援助などのアプローチをしていますが、日本のアプローチは他の国とは少し異なる独自性があり、次の3つの特徴があります。
一つには、日本は一貫して、相手国の自発性、自助努力を重視してきたということです。自身の考えや技術の押し付けではなく、その国の状況に合うものを一緒につくり上げていく。いわゆる“オーナーシップ”の尊重です。例えば空港や港を作るときに、無理に日本洋式の建物にするなど、現地の文化を壊すようなものは作りません。
2つ目が、人と人とのつながりです。相手との信頼関係なしには、国際協力はもちろん、何事も成り立ちません。顔の見える国際協力ともいわれています。日本人ならではのきめ細やかさで、根気強く人づくりに取り組んできた実績は、日本にとっても貴重な財産となっています。研修生として日本にやってくる外国の方は、このような日本人と働きたいと思って来日してくれています。
3つ目は、どのような課題があったとしても、最終的に目指すのは、その国の経済発展であるべきという姿勢です。これを達成するために、インフラ整備から人材育成まで、多様なアプローチを相手国と協働で実践しています。
私は海外協力隊として1993年から2年間、バヌアツ共和国で学校つくりに携わりました。また、2015年からブラジルのファベーラと呼ばれる生活困難地域の子どもたちへの教育支援にも関わり、JICAの相手の立場に立った支援の在り方を肌で感じてきました。
日本のODAの実施機関である国際協力機構(JICA)のCは、Cooperation「協力」です。JICAでは援助(AID)という言葉はあまり使いません。途上国と同じ目線で「協力」していくという姿勢を表しています。上から目線で「援助」してあげるという姿勢では信頼関係は生まれません。現地の人と共に汗を流しながら必要な技術を伝え、人を育て、現地の人々の自立を支援することを基本としています。例えば、食料に困っている国に食料を送るだけでなく、人を派遣してともに汗をかきながら野菜の作り方・魚の取り方を伝えるような協力です。このような支援を行っている国は他になく、日本が多くの途上国から信頼されている理由の一つです。
JICAではありませんが、3年前の12月、アフガニスタンで銃撃により亡くなった、医師の中村哲さんも同じような視点で活動し現地の方々から信頼を得ていたのだと思います。彼は「アフガニスタンにいると『軍事力があれば我が身を守れる』というのが迷信だと分かる。敵を作らず、平和な信頼関係を築くことが一番の安全保障だと肌身に感じる。」と生前語っています。
一方、ウクライナで起きている戦争はまさにその対極にありますが、中村哲さんのようなマインドをたくさんの人が共有することが世界平和にとって大切であり、一刻も早く終息することを願わずにいられません。
皆さんは将来、海外で仕事をしたり、日本にいる外国人の方と働くなど、世界を意識する機会があると思います。そのとき、日本の途上国支援の理念について思い出してほしいのです。
国と国との信頼関係も、人と人との信頼関係も同じです。相手の目線に立って、相手のことを考えた行動で相互に信頼関係を作ってください。
先日の芸術鑑賞会で林家たい平さんが、「高校生時代にいろいろな言葉の変化球が投げられるようになってほしい。」と言っていました。日本語の持つ多様な表現を身につけて、相手を思いやりながらも自分の伝えるべきことをしっかりと伝えることができるようなコミュニケーション力を身につけてほしいと思います。
年末年始はいろいろな人と出会う機会もあるでしょう。相手を思いやりながら対話をし、コミュニケーションを磨く機会としてください。3学期元気にお会いしましょう。
2学期も、まっすぐにしなやかに
【2学期始業式校長講話】
1学期の最後はコロナの感染拡大による学校閉鎖などあわただしい学期末でした。感染や濃厚接触者のため、終業式は欠席となった生徒もいます。幸いなことに重症化した生徒はいないと聞いていおり、みな元気に新学期を迎えていることと思います。2学期は鈴懸祭体育の部、2年生の修学旅行などの学校行事もあります。感染者数はやや下向きになっているとはいえ、学校が始まり人の動きが活性化すれば再び拡大の可能性が高まります。予防には十分注意しましょう。
さて、皆さんは今年の夏をどのように振り返っていますか。夏季補習、部活動など充実した生活を送ることができていたでしょうか。夏休み後半に実施した体育祭応援合戦の練習を何度か見学しました。3年ぶりに実施となる応援練習で3年生も苦労したと思いますが、後半にはいい形になってきたので、本番が楽しみです。学年を超えてこのような取り組みができるのは、熊女でしか味わえない貴重な体験です。ぜひ、思いっきり楽しんでください。
体育祭の家庭通知を本日配布しますが、発信者名が校長と体育委員長となっています。生徒が主体となって活動する熊女ならではの形です。保護者の方には、体育委員長からの通知と言って渡してください。
この後、壮行会もありますが、夏季休暇中の大会などにおいても熊女生は大いに活躍してくれました。文化部、運動部ともに素晴らしい成果を上げており、皆さんを誇らしく思います。
お茶の水女子大学の研究交流会などに参加した生徒もいます。熊女には君たちの可能性を広げるチャンスがたくさんありますが、それを、つかむかどうかは君たち次第、何事にも積極的にチャレンジすることを期待しています。
一方、心配な事件もありました。戸田市に住む女子中学生が見ず知らずの親子を刃物で襲った事件です。どのような理由があったにせよ、他人の命も自分の命も殺める理由にはなりません。また、この事件のことを他人事と思ってはならないでしょう。どんなに強い人でも、耐え難いことに遭遇し、心が折れて、自暴自棄になってしまうこともありえます。そんなときは、誰でもいいから話をしてみる、相談してください。もし、近くにいなければ電話や匿名で相談することもできます。また、誰にも話せないなら、自分自身に手紙を書くことで気持ちを整理するという方法もあります。とにかく、生きていれば解決する方法は必ず見つかります。自分の命も他人の命もかけがえのない宝です。どうか、このことを心にとめておいてください。
新たに着任したALTアナさんの故郷、ジャマイカにちなんで、ボブ・マーリーの言葉を紹介します。
Love the life you live. Live the life you love. Bob Marley
(自分の生きる人生を愛せ。自分の愛する人生を生きろ。)
皆さんが学業・部活・学校行事に頑張っているのは、将来、自分の愛する人生を生きるためです。「まっすぐにしなやかに」2学期も頑張りましょう。
終業式(校長講話)
本日、1学期終業式を行いました。併せて全国大会・関東大会壮行会も実施しました。
【校長講話】の概要
皆さんおはようございます。
今日は学校閉鎖後、久しぶりの登校日になります。まだ自宅待機等の生徒はリモートで終業式に参加できていますでしょうか。
まずはコロナ関係の話から
罹患した皆さん、現在の体調はいかがでしょうか。高熱が出たり頭痛が激しかったりする生徒もいると思います。幸いなことに重症化の話は聞いていませんが、油断せず、一日も早い回復及び日常生活の回復を願っています。
学校閉鎖中のために、大会参加を断念せざるを得なかった部活動もあります。何とか出場させてあげたいと、関係機関にも相談したのですが、ガイドラインにより学校閉鎖中の参加は不可のため、参加辞退となりとても残念に感じています。参加できなかった生徒はそれ以上に、もっと悔しい想いをしていることと思います。簡単なことではないと思いますが気持ちを切り替えて、この悔しさを糧に前に進んでくれることを期待します。
今回のコロナ感染拡大では、同じ部活動や同じクラスで行動を共にした生徒が連鎖的に高い確率で陽性となっており、報道等で言われているように、オミクロン株BA5の感染力の高さを目の当たりにしました。
学校では、感染状況を一人一人確認していますが、黙食の徹底など、反省すべき点はいくつかあります。皆さんには、黙食や大きな声を出さないことを文化委員から伝えられていたと思いますが、完全に徹底できていたでしょうか、各自振り返ってみてください。ただし、文化祭の企画や活動については、埼玉県の新型コロナウイルス対策ガイドラインを遵守して、それぞれの企画団体が活動していたと考えています。また、どんなに対策をしても、感染する可能性が高いのがコロナ感染の特徴です。
したがって、今回の感染拡大において、特定の個人や団体を非難するようなことは決してないようにしてください。感染した生徒への配慮とともに正しい判断をお願いします。
今回の感染について県のeMATという感染対策チームも入って分析し、今後の感染防止対策に活かしていきます。担任等から改めて感染状況などを聞くこともありますが、協力してください。
ビルゲイツのことばに
Its fine to celebrate success, but it is more important to heed the lessons of failure.
成功を祝福するのはいいが、失敗から学ぶことはより重要だ
というものがあります。失敗や過去の歴史から学ぶことができるからこそ、人は目標をもって次へ進むことができるのだと、私は思います。
さて、今日は終業式、1学期の終わりに熊女の3ばる、学業・部活動・学校行事の順に1学期を振り返ってみたい。
1つ目 学業について
1学期の成績優良者は**名、部活動の練習と両立させコツコツと努力した生徒が大勢います。反面、あまり積極的に取り組めなかった生徒もいるようです。夏休みには夏期講習多くが組まれています。積極的に参加して力を高めてください。
2つ目 部活動について
剣道部、陸上部、水泳部、ソフトテニス部が関東大会の出場権を獲得しました。本日壮行会を予定している陸上部と写真部は全国大会にも出場します。特定の部活の頑張りだけでなく、熊女全体の頑張るエネルギーがこれらの成果につながる原動力になっています。
3つ目 学校行事について
鈴懸祭文化の部やバレーボール大会などそれぞれ生徒が主体となって素晴らしい学校行事としてくれました。いくつかの反省すべき点はあるものの、次に向けてより良いものになるよう伝統を引き継いでください。
最後に皆さんに身に着けてほしい力、「教養」について話をします。熊女生は将来いろいろな分野でリーダーとなって活躍することが期待されています。その時必要なのは物事を多面的にとらえることのできるバランス感覚です。入試科目だけでなく歴史、哲学、文学、語学、芸術、スポーツ、食育など幅広い教養が必要です。
夏季休業の期間を活用して、お茶の水大学などの大学訪問や部活動、読書や旅行などいろいろな経験を通して、「教養」を高め各自の持っている器を一回りも二回りも大きくしてください。充実した夏休みを過ごしてください。